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「七福神めぐり」をしながら東京・谷中を散策しよう
やりたいことリストの一つに、日本での巡礼を挙げる人は多くいます。巡礼には、何日もかけて長距離をめぐるものから、短時間でさっとまわるものまで、さまざまなスタイルがあります。中には、東京都心部でできる巡礼もあります。この記事では、田端駅と上野駅の中間に位置する歴史豊かなエリア「谷中」周辺で、幸福の七つの神をお参りする「七福神めぐり」をご紹介します。
七福神めぐりができる地域は日本全国にたくさんありますが、この記事で紹介するルートは250年も前から続いているものです。このルートで、主役の七福神を拝むことができるのは、1月上旬のみ。周りには屋台が並びます。墨で書かれた寺と神様の名前に、お寺の印が押された特別な御朱印を頂くことができるその時期に、ぜひ足を運びましょう。
谷中七福神めぐりは、どのお寺から始めても大丈夫。所要時間は、周辺をどのくらい散策するかにより、2時間から丸一日ほどです。お寺のネコや昔ながらの商店街、おいしいレストランや興味深い建物(もちろん七福神と併せて!)などがあり、楽しく、幸運なスポットを巡るルートになっています。ちょっとした運動にもなり、誰もが楽しむことができますよ。
それでは、七福神それぞれの説明を加えたおすすめのルートと、通り沿いにある人気のスポットをいくつかご紹介します!
日時:1月1日~10日、9時~17時
距離:谷中七福神めぐりのコースは約6キロ。
1.東覚寺(福禄寿)
東京都北区田端2-7-3
最初に立ち寄るのは、田端駅からそう遠くないところに位置する、アパートなどの集合住宅に囲まれて佇む東覚寺です。この寺院には、富と長寿の神「福禄寿」が祀られています。谷中七福神めぐりのスタート地点である東覚寺は、7つの寺院の中でも混雑することが多いので、早い時間に訪れるか、並ぶことを覚悟して行きましょう。
見どころ:「よみせ通り」は、このルートで最初にたどり着く昔ながらの商店街です。陶器店や製麺所、カフェや小さな雑貨店などを楽しみましょう。文具や小物を扱う「ワト舎」では、地元の作家が作る猫をモチーフにした作品などが売られています。
2.青雲寺(恵比寿)
東京都荒川区西日暮里3-6-4
袋小路の奥にひっそりと佇む青雲寺は、漁業や商売繁盛の神「恵比寿」を祀っています。トレードマークの鯛を抱える姿は、五穀豊穣の象徴でもあります。
見どころ:七福神めぐり以外の寺院もありますよ。お寺の歴史や神道と仏教のつながりを英語で解説した掲示版があるお寺もあります。物陰から顔を出すお寺のネコの姿を目にすることもできるかもしれません!
3.修性院(布袋尊、「布袋様」が一般的)
東京都荒川区西日暮里3-7-12
このお寺を見逃すことはないでしょう。というのも、幸福の神「布袋尊」が描かれた鮮やかなピンク色の壁に囲まれているからです。壁に描かれた絵から、布袋尊が幸せと笑いと人徳の神であるとともに、子どもの守り神として人々の願いに応えてきたことが分かります。修性院は、谷中七福神めぐりの中でも最も人気があるお寺です。
見どころ:昔ながらの商店街「谷中ぎんざ」には、「夕やけだんだん」と呼ばれる有名な階段があります。通り沿いには屋台や、休憩にピッタリのカフェ、ショッピングスポット、そしてランチが楽しめるお店などがあります。異国情緒を味わうなら、ランプ店とイラン・トルコ・ウズベキスタン料理店の二つの顔を持つ「レストラン ザクロ」がおすすめです。
5.長安寺(寿老人)
東京都台東区谷中5-2-22
長安寺は、谷中七福神めぐりの中で最もこぢんまりとしたお寺で、「寿老人」を祀っています。寿老人は小柄な老人で、黒い牡鹿を連れた姿で描かれることのある長寿の神です。
見どころ:東京スカイツリーがそびえる美しい景色を眺めながら「谷中霊園」を散策してみましょう。谷中霊園は10万m2以上(25エーカー)の敷地に、7,000区画のお墓があります。
8.天王寺(毘沙門天)
東京都台東区谷中7-14-8
天王寺は1274年に建立されたものの、近代的なコンクリートの門が特徴のお寺です。ここには勝運の神であり、戦士の守護神である「毘沙門天」が祀られています。
見どころ:SCAI THE BATHHOUSE(スカイ・ザ・バスハウス)は、アート好きの方が七福神めぐりの合間に休憩するのにぴったりのスポットです。かつて銭湯だった建物を現代アートギャラリーとして活用しています。
6.護国院(大黒天)
東京都台東区上野公園10-18
護国院は、有名な上野公園の一角に位置します。境内には野外の能舞台があり、御朱印を受け取る場所は参拝者が自由に出入りできる広々とした畳の部屋です。「大黒天」は家を守る神で、五穀豊穣、商売繁盛の神でもあります。
次のお寺までもう少し。七福神めぐりのラストスポットです!
7.寛永寺(弁財天)
東京都台東区上野桜木1-14-11
このルートで最後に訪れるお寺「寛永寺」には、七福神唯一の女神「弁財天」が祀られています。音楽と知恵に長けた弁財天は、学問と富の神です。寛永寺は7つのお寺の中で最も大きく、参拝者が寛げる広々とした境内が魅力です。
これで谷中七福神めぐりは終わりますが、最寄り駅までの道すがら散策を続けるのもよいでしょう。また、新年の盛り上がりを味わいに上野周辺に繰り出すのもおすすめですよ。
(適切なソーシャルディスタンスを取ってお参りしましょう。また、御朱印についての情報は、変更される可能性がありますのでご注意ください。)
この記事は、ニーナ・カタルドが執筆しました。
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