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独創的な街「西荻窪」でぬくもりある時間を過ごす
「住みたい街」として人気の吉祥寺から、JR中央線で隣駅に位置する西荻窪。地味な印象を持たれがちですが、実際に歩いてみると、独特な感性を持つ人たちを惹きつける街だと気づくでしょう。南口を出て、巨大なピンクの象が吊るされているアーケードは仲通街。アーケードを通り抜けたところから五日市街道まで続く一本道は通称「乙女ロード」と呼ばれていて、女性好みのかわいらしい店や味に定評のあるレストランが多いのが特徴です。一方、北口には北西に伸びる骨董通りを中心に、数十軒ものアンティークショップが立ち並んでいます。個性的なカフェや雑貨屋、こだわりの食材を扱う食料品店などが点在する西荻窪。一歩足を踏み入れれば、この街ならではの魅力に出会えるでしょう。
乙女ロードでまず見つけたのは、全国的にも珍しいスパイス専門店「N.HARVEST」。代表の鈴木裕さんは「安全で生産者の顔が見える食材」をモットーに、インド、パキスタン、スリランカの知人たちから40種類以上ものスパイス、紅茶、ドライフルーツなどを買い付け、販売しています。きっかけは、学生時代に旅したインドやパキスタンで現地の食文化に深く影響を受けたこと。以来、毎年数ヶ月間、パキスタンのフンザ地方などを再訪しては、現地のライフスタイルからインスピレーションを得ているのだそうです。手作りの木製家具が温かい印象を与える店内では、現地レストランの本場のレシピを学ぶことができる料理教室も開催しています(不定期)。
閑静な住宅街の中に佇む「松庵文庫」は、築80年の古民家を改装したカフェ。靴を脱いでスリッパに履き替えた途端、「ただいま」と言いたくなるような懐かしい気持ちになります。かつては音楽家のご夫婦が暮らしていたというこの古民家。「この家は残さないと!」という一心で、ご近所に住む現オーナーの岡崎友美さんが引き継いだのだそうです。柱や梁はそのままに、カフェ、ショップ、イベントスペースを備えた間取りに造り替え、店舗として再出発を果たしました。裏庭の樹齢100年というツツジの木を眺めながら、コーヒーや体に優しいランチをいただくのも良し、アンティークのソファーに腰掛けながら、近所の本屋「Title」がセレクトした書籍を読むのも良し。松庵文庫ではヨガ、アロマ、生け花、料理教室などのワークショップも開催されています。
西荻窪の人や街の雰囲気に魅せられた二人の姉妹が、紙で作られた雑貨の専門店「ぺぱむら」をオープンしたのは2015年4月。厳選されたカード類や、モビールという吊り下げ式の紙雑貨、ペーパークラフト、米袋でできたトートバッグ、飛び出す絵本などが、床から天井まで所狭ましと並べられています。店内の品々は、文房具店で働いていた姉と、デザイナーの妹によって選び抜かれたもの。鶴を折ると国旗が現れるようデザインされた折り紙や、歌舞伎役者、芸者など日本の伝統芸能をモチーフにしたカード類は、目新しく、しかも軽いのでお土産にもおすすめです。
西荻窪駅北口側に点在する約60軒もの骨董品店も見逃せません。最古参の老舗骨董店「伊勢屋美術」は1953年創業。12年前には、店舗隣に「ギャラリー寿庵」をオープンしました。こじんまりとした店構えですが、茶箱の品揃えが都内で最も多いため、全国から愛好家が訪れるのだそうです。茶箱とは野外でのお茶会のために茶道具をいれる小籠のことで、江戸時代から現代のものまで揃っているとのこと。また絵画や陶器などの展示会が不定期で行われ、イベントによっては地下の茶室で点てる抹茶を味わうことも可能だということです。
人と人との絆を大切にし、古き良きものを慈しむ西荻窪。知れば知るほど親しみを感じられることでしょう。西荻窪で、東京の新たな一面を覗いてみてはいかがでしょうか。
エヌ・ハーベスト
杉並区松庵3-31-17
TEL: 03-5941-3986
営業時間:11:00-20:00
定休日:月曜日(月曜祝日の場合は翌日)
www.nharvestorganic.com
松庵文庫
杉並区松庵 3-12-22
TEL: 03-5941-3662
営業時間:11:30-18:00
定休日:月曜日・火曜日
http://shouanbunko.com
ぺぱむら
杉並区松庵3-39-11-1F
TEL: 03-5941-8346
営業時間:11:00-20:00
定休日:木曜日
http://pepamura.ten-graph.com
伊勢屋美術 ギャラリー寿庵
杉並区西荻窪北4-5-22
TEL: 03-3399-2756営業時間:11:00-19:00
定休日:日曜日
www.iseyajuan.com
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